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🍿 Netflixシリーズ『ナルコの神』〜生命力強すぎオヤジの大立ち回りがお見事なドラマ

Netflix で 2022 年 9 月 9 日から配信されている『ナルコの神(수리남)]』を観ました。

これは面白かった!全 6 話、完全集中で観ました。「ファン・ジョンミンにハズレなし」伝説がまたもや証明された形です。そんな伝説があるのかは知らんけど。

My 評価:💖💖💖💖💖/5

👀 あらすじと感想



(以下、「牧師の正体は⁉︎」に関するネタバレ含みます。)

働けど働けど、暮し向きは上向かず…。そんな状況に嫌気したカン・イング(ハ・ジョンウ)は、自分のため家族のため、一攫千金を狙った水産事業をスリナム共和国で立ち上げる。滑り出しは順調だったが、韓国向けに出荷した積荷からコカインが見つかり、密輸の濡れ衣を着せられて収監されてしまう。

収監先でイングは、国家情報院(NIS)のチェ・チャンホ(パク・ヘス)から、原因をつくったのはチョン・ヨハン牧師(ファン・ジョンミン)であると告げられる。ヨハン牧師とは、スリナムでのビジネスを円滑にすすめられるようにイングに便宜をはかってくれた人物なのだが、実はスリナムを掌握する韓国人麻薬王なのである。NIS は数年にわたり、ヨハン逮捕のための監視を続けてきたが、なかなか尻尾を掴ませてもらえない。そこでイングに「組織に入り込み、検挙のきっかけをつくる」という秘密作戦への協力を求めた…。

…という話が第一話にあって、その後はイングが参加した秘密作戦の進行に沿って話がすすんでいく。ドラマは 2010 年ごろのスリナムを描いているそうだが、それによるとスリナムは国民の半分が麻薬産業に何らかの関係をもっているのだとか。役人はお手盛りがないと動かないし、政治家はコカインビジネスの'成功者'を優遇するし、裏組織はコカインを巡って勢力争いに余念がないし…と、まさに混沌。そんな中を民間人であるイングが、ときにボコボコにやられながら、なんとかかんとか泳いでいくところが面白い。

海外ドラマファンからは「また麻薬ものか…」という声も聞こえてきそうだが、他の麻薬(Narco)ドラマに負けず劣らずの出来栄えではないかと思う。「聖人と目される人物が、実は希代の大悪党」という設定も目新しいものではないけれど、韓国における宗教観が垣間見られる作りになっているところには興味をそそられる。

😃 キャスト



– カン・イング(ハ・ジョンウ)

秘密作戦に協力する民間人実業家。本作でもっとも魅力的だったのがハ・ジョンウ氏でした。苦労続きの少年時代を経て、苦労続きの中年時代を過ごしているイングを演じています。自分の力で物事を学び切り拓く能力はあるのに、どんなにもがいても社会の隅っこにしかいられないに追いやられているの屈託がよく出ていたと思います。能力がある野心家で、生きる力が強く、めげない。どこに行っても堂々と立ち回るところは、羨ましいを通り越して尊敬してしまう。国を牛耳るヤクザや政治家と互角に立ち回る民間人…という架空感プンプンのキャラクターに説得力を加える演技力です。もちろん、制作陣の人物の描き方も素晴らしいのでしょう。

– チョン・ヨハン(ファン・ジョンミン)

「麻薬を利用して小悪党からのし上がり、南米の小国にわたって麻薬王として君臨した下世話野郎」を見事に演じています。ただ、イングほどには細やかな背景が描かれておらず、よってイングほどには印象的ではなかったです。「神(saints)」と呼ばれるほどには神々しさはなく、麻薬王ではあるけれど小物感すごいなと思ってしまった。まぁ、ジョンミン氏推しなのは変わらないんだけどな。

– チェ・チャンホ/ク・サンマン(パク・ヘス)

コカイン事業家ク・サンマンを名乗って自ら捜査に乗り出す大韓民国国家情報院(NIS)のチーム長。「生真面目な努力家だが、現場にはイマイチ弱い公務員」という役どころです。国家を守るという気合はあるものの、ちょっと及び腰だし、交渉力弱めだし、イングにリードされっぱなしの印象です。『刑務所のルールブック』で演じたキム・ジェヒョク(プロ野球のスター選手)役は良かったな〜。

– チェン・ジェン(チャン・チェン)

本作の最強のイケメンといえば、中華系マフィアのチャン・ジェン(Chen Zhen)を演じた台湾人気俳優のチャン・チェン(Chang Chen)氏でしょう。「なんだこの凶悪度高杉なハンサムは…(どこかで見たことがあるような)🤔」と調べたら、古くは『ブエノスアイレス(1997)』、最近では『DUNE/デューン 砂の惑星 (2020)』にご出演の超スター俳優さんでした。

– デビッド・パク(ユ・ヨンソク)

ヨハン(と組織)の弁護士役。初登場シーンでは、「胡散臭い優男」感プンプンで良い感じです。『賢い医師生活』で人気の俳優さんらしいのですが、このドラマ観てない。「えーっ!」てなる。

– ピョン・ギテ(チョ・ウジン)

「えー!」ってなった。

✨ 私的見どころ

– キャストが素晴らしすぎる

やっぱり、出演者の演技対決が最大の見どころではないかと思います。本ドラマでは主要キャストがみんな主役級で、どのキャラクターも際立っていて個々が印象深い。一方で、作品としての調和も取れていて、話に没入できます。

私、ファン・ジョンミンさんが大好きで、彼の映画やドラマは無条件で見ています。「ファン・ジョンミンかぁ(ポチ)」って感じ。でも、本作は、ジョンミン氏以外もとても魅力的でした。

– 実話がベースになっている

実話ベースという点は、私的には大きな魅力。もちろんフィクションもふんだんに盛り込まれているのだとは思いますが、「うむ〜、本当にこんなことが現実に起こったのか!」と面白ゲージがグングン上がります。

「一体どこからどのあたりまで実話なのよ」というのは、めちゃめちゃ気になる点ですが、スリナムという国は実在するし、韓国人麻薬王も存在したそう。なお、劇中で賄賂を受け取った大統領(デラノ大統領)も実在の人物だそうです(たぶんこの方-> デシ・ボーターセ – Wikipedia)。

– 話の二転三転が素直に楽しめる

正直、第 6 話の展開はやり過ぎなのでは…?と思ったのですが、最後はどかんと盛り上がらなければ、それはそれで不満に感じただろうし。全体を通してみれば、素直に二転三転が楽しめるドラマでした。

そもそも「南米に韓国人麻薬王がいた!」という時点で「えぇ 😲⁉︎」ってなっちゃうけれど、本当に存在したんだから文句のつけようもない。

民間人なのに国際舞台で立ち回り、秘密作戦の中でも自分のやり方を貫く…という若干無理目な設定も、ヨハンの小物感、チャンホの生真面目さと相まって、「まぁ、イングは苦労してきたしな…」と微妙に納得。「柔道がんばった青春時代」、「苦労続きの生い立ち」、「米兵相手のカラオケバー経営経験」から、私の中に「腕が立ち、英語での交渉もできる語学力と度胸がある」というイングの人物像が出来上がっていたので、第 6 話の展開も「まぁ、そういう人だし、ありかも」と思わされました。

– 6話完結で長すぎない

100 話以上ある韓国ドラマも観るし、シーズン 10 を超えるようなご長寿アメリカドラマも嫌いではないのですが、「さぁ、この週末で一気見すっぞ!」みたいな気分のときは短めのドラマの方が嬉しいですよね。各話1時間ちょいで 6 話というのは、いろんな意味で負担少なめだと思います。

– アクション・暴力シーンが長すぎない

私は、肉弾戦やら銃撃戦やらカーアクションやらが延々と続と飽きちゃうんですよね。6話の中におさめる必要があるせいか、アクションシーンは簡潔です。イングが柔道技をバコーンと決めて終わり!くらいが私には心地よかったです。

グロ度高め描写もありますが、こちらも尺は短め。指の隙間から見る時間はほんのちょっとで済みます。

🐸 まとめ

ファン・ジョンミンにハズレなし。

🗒 基本情報

タイトルナルコの神(수리남)
2022
出演ハ・ジョンウ、ファン・ジョンミン、パク・ヘス
原作・制作ユン・ジョンビン、クォン・ソンフィ
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